1982年兵庫県生まれの石彫家。学生時代より石を主材とし制作を続ける。
長谷川の作品は、その表面に残される自身の手で彫られた無数の鑿跡が特徴的で、そこからは制作に捧げる膨大な時間と石との密な関わりを感じ取ることができる。常に明確なモチーフや展示の場に合わせたテーマを設定し制作に挑むが、作品となって現れるかたちは必ずしもそれらを想起させるものではなく、むしろ作家自身も初めて目にするような、なんとも不思議な趣を呈しているものが多い。それは石という堅固な素材だからこそもたらされるかたちともいえ、石そのものが持つ神秘性と相まって、ひときわ特異な存在感を放つ。
今回、真鶴の地からどのようなテーマを導き出し、小松石へと落とし込むのか。立ち現れるかたちに注目したい。